院内感染対策の強化(新型コロナウイルス感染対策)

加賀美歯科では2017年開院時より、アメリカ疾病予防管理センターCDCにより提唱されたスタンダードプリコーション(標準予防策)という院内感染予防の概念に基づいて必要十分と考えられる院内感染対策を行っておりましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大と緊急事態宣言をふまえ、2020年04月08日~05月25日まで時限的に縮小診療体制と厳重な院内感染対策を実施してまいりました。

緊急事態宣言が解除された感染安定期においては、患者様と職員・歯科医院に過度な負担がなく、安定して維持可能な強化された院内感染対策を策定し実施しております。(2020年05月現在)

 

 

 

 

コロナウイルスに感染しないため、感染させないための患者様へのお願い

 

完全予約診療とさせていただきます。付き添いの方は事前にご連絡ください。ご予約無しでご来院いただきました場合は、当日の診療ができないことがございます。

 

・ご来院前に検温して37.5℃以上の発熱、咳、息切れ、強い倦怠感、数日つづく風邪症状がある場合、ご予約のキャンセルとご来院をお控えいただけますようお願いいたします。

 

予約時間厳守をお願いいたします。10分以上ご遅刻された場合は、当日の診療ができないことがございます。

 

・当院までの移動中には、なるべく人や物との接触を避けてご来院ください。

 

・治療時以外は必ずマスク着用をお願いいたします。

 

・ご来院されましたらまず受付で手指消毒検温当日問診票の記入をお願いいたします。また、問診票の記載のない事項であっても感染の疑いがもたれるような症状などがございましたら自己申告してください。

 

ソーシャルディスタンスの確保にご協力ください。

 

院内感染予防のために最も有効な対策は外部より院内にウイルスを持ち込まないことです。患者様ご自身が感染しているかもしれないという意識をもって、他人に感染させないと心がけて受診していただくことが大切なのです。何卒、ご理解・ご協力の程、よろしくお願いいたします。

 

 

 

医療機関として対策していること

 

・すべての職員は始業前に検温を実施しております。

 

・就業時間中の手指消毒及び手洗いを徹底しております。

 

・ドアノブや手摺り、お手洗い、PC・マウス・キーボード・事務用品などは清拭消毒しております。

 

・定期的にエントランスと裏口を開放し換気を行います。医院内のすべての換気扇は常時作動としております。

 

待合室の椅子を減らしソーシャルディスタンスを確保します。また雑誌類は撤去しております。

次亜塩素酸水の噴霧による「空間の除菌」は有効性が確認されていないため、現在停止しております。次亜塩素酸水器具や設備の消毒に有効であるといわれています)

 

・受付カウンターに飛沫感染防止のためアクリル板を設置しております。

 

・治療費の支払いについてキャッシュレス化を推進していきます。(現在進行中)

 

 

 

 

診療室の中での対策

 

・患者様には施術前に薬液洗口をお願いいたします。薬液洗口により口腔内のウイルス濃度が減少されエアロゾルによる飛沫感染抑制に効果が期待できます。

 

グローブは単回使用を継続し、同じ患者様への使用であっても30分毎に交換します。

 

ゴーグルフェイスシールドを使用します。

 

・患者様の感染リスクと地域の感染状況を考慮して、適宜望ましいと考えられるPPE(個人防護具:防護用エプロン、ガウン、キャップなど)を使用いたします。

 

・当院の医療物資の在庫は適正数に維持した上で、常に地域の医療物資の供給体制を考慮します。歯科治療でPPEを消費することが高度医療機関での物資の枯渇や医療崩壊を招くことのないよう努めます。

 

 

 

 

使用した器材の院内感染対策

 

可能なものについては、ディスポーザブル(使い捨て)製品を使用します。

・グローブ

・紙トレイ

・紙コップ

・エプロン

・3ウェイシリンジチップ

・セレック用スキャンスリーブ

・クリーニング用ブラシ、カップ

・注射針、麻酔液

など

 

 

 

ディスポーザブル(使い捨て)が不可能な使用済みの器材の再処理については、使用部位の感染危険度のカテゴリー分類と器具の形状や素材に応じて、洗浄・消毒・滅菌工程を決定しております。

 

 

 

歯科医療器材の再処理

 

1 ウォッシャーディスインフェクターメラサーム10)による器具洗浄

 

ウォッシャーディスインフェクターとは医療用の全自動洗浄消毒器です。全自動での洗浄・すすぎに加え高温の熱水消毒・乾燥により、確実に洗浄工程を行い、後述の滅菌の効果を最大限発揮することができます。

ウォッシャーディスインフェクターでの洗浄が不可能なものは、手作業での洗浄・超音波洗浄・薬液洗浄・消毒工程を行います。

 

2 滅菌パック(メラシール100+)での包装

ドイツの規格をクリアした6mm以上のシール幅で器具を密閉し、滅菌後に外部より汚染されることを防ぎます。

 

3 クラスB滅菌器DACプロフェッショナル)による滅菌

DACプロフェッショナルは医科の基準を満たした小型滅菌器です。クラスBとは固形物、多孔形物、内空物、包装物(一重・多重)、非包装物などあらゆる対象物を滅菌することができるヨーロッパの規格です。

DACプロフェッショナルでの滅菌が不可能なものは前述の洗浄・消毒工程後に保管されます。

 

 

 

 

ハンドピースの再処理

 

ハンドピースといわれる歯を削る器械には「サックバック現象」という逆流現象が起こりやすく、患者間での交差感染のリスクが生じます。交差感染を防止するためにハンドピースは毎回使用後に滅菌することが必須です。

ハンドピースはその内部形状により通常のクラスB滅菌器でも十分な滅菌効果を得られない可能性もありますので、専用のDACユニバーサルによる内外部洗浄・注油・滅菌工程が行われます。(モード選択によりDACユニバーサルを通常の滅菌器として使用することも可能です)

 

1 ハンドピース専用滅菌器DACユニバーサル)による内外部洗浄・注油・滅菌

 

2 滅菌パック(メラシール100+)での包装

 

 

※滅菌器(DACプロフェッショナル・DACユニバーサル)で使用される水は専用の水質管理器(ニトラデム)で厳密に処理管理後に供給されます。

 

 

 

 

診療室内の飛沫感染(エアロゾル)対策

 

メディカルライトエアー

医療機関専用の空気浄化装置を設置しております。光触媒フィルターを搭載し、99.5%以上の空中のウイルスや有害物質を除去します。1機につき48畳の処理能力をもちます。

 

口腔外バキュームにより空気中のエアロゾルを吸引し、診療中・診療後の診療室内にエアロゾルが停留することを防ぎます。

 

・治療内容に応じて、ラバーダムシートzooカニューレなどの吸引器械の併用により発生するエアロゾルの減少を図ります。

 

・治療内容に応じて、回転運動をしない特殊なハンドピース(エバチップ専用コントラ)により治療中のエアロゾルの発生を抑えます。

 

 

 

 

 

2020年4月~5月の緊急事態宣言発令期間中は新型コロナウイルス感染拡大防止のために自主的に縮小診療体制としておりましたが、例えば歯周病の重症化予防のための定期検診基礎疾患がある患者様やご高齢の患者様の口腔衛生管理を長期に延期することは、全身状態に影響する可能性が高いことは明らかであり、その他の口腔内のトラブルにつきましても患者様ご自身で受診の緊急性を判断することは困難であると考えられます。

緊急事態宣言の解除にあわせて、ためらわずに通常通りの受診をしていただけるように院内感染予防対策を強化しております。どうぞご安心してご来院くださいませ。